人口およそ70万、ヒマラヤ山脈の麓にある小国「ブータン」。昨年秋に、ブータン国王夫妻が
来日して以来、国が推し進めるGNH政策に注目が集まっている。経済的な豊かさではなく、
人々の精神的豊かさを重視するこの政策は、小学校就学率の向上や、乳幼児の死亡率減少
など、着実にその成果を生み出しているが、一方で険しい地形が続く為、多くの場所で行政サ
ービスが行き届かない等、抱えている問題も多い。そしてここ数年、都市と農村の格差も顕著
に表れ始めたという。いったいブータンはこの課題をどう乗り越えようとしているのか。日本ユニ
セフ協会大使を務めるアグネス・チャン氏がブータンの農村を訪ね、その実情を探る。