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2020年3月20日(金) 新日本風土記「鍋のしあわせ」

冬から春先にかけて食卓を賑わす鍋。海と山の幸に恵まれた日本には、全国津々浦々に自慢の鍋もの・汁ものがある。寄せ鍋、すきやき、ちゃんこに水炊き。モツ鍋、はりはり、きりたんぽ…。具も味付けも、なんでもござれ。家族が離れ離れに暮らすことが多くなった現代、みなで囲んで取り分ける鍋や汁は、ひとりひとりの食卓の原風景、それぞれの心の「故郷」を思い起こさせる。

富山県氷見市では、山に暮らす猟師の夫妻が自分たちで仕留めた獲物で作る、とっておきのカモ鍋。沖縄の久米島では、ハレの日に作るヤギ汁。成人祝いの娘の門出に、父が作る特別な一杯。下北半島の脇野沢では、アラで出汁をとり、大鍋に身をたっぷり入れた「タラ汁」。家族が集う年の瀬に、料理自慢のおばあちゃんが振る舞う懐かしいおふくろの味。震災の被害が深刻だった熊本県益城町では、今も仮設で暮らす人々に笑顔とつながりを取り戻そうと、僧侶が作る特別な鍋がある。

家族や親友、仕事仲間、ときには初対面の人と、ひとつ鍋を囲めば身も心も温まり、笑顔がこぼれる。どんな具を入れても、味付けが少々いい加減でも、おいしく感じる。それは食材の出汁が溶け合うから。そして、鍋を囲む「人のぬくもり」が身に染みるから。日本全国、湯気の向こうの笑顔を訪ねる、しあわせの鍋物語。

番組HP:https://www4.nhk.or.jp/fudoki/