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Asia Insight バングラデシュ ジャーナリストたちの闘い

 去年8月、市民のデモにより長期政権が崩壊したバングラデシュ。報道の自由を制限されてきたジャーナリストたちは、真実を伝え、市民の信頼を取り戻そうと奮闘している。

15年にわたるハシナ政権の下で、メディアは厳しい管理下に置かれ、反政府的な報道をしたジャーナリストは逮捕された。自由な報道ができない中で、「メディアは真実を伝えていない」と市民の信頼もまた失われていった。ハシナ政権が崩壊し、暫定政権による新たな国作りが進む今、ジャーナリストたちは、前政権下で起きた反体制派とみられる人物の殺害や失踪事件などの実態を明らかにし、市民の信頼を取り戻そうとしている。

2024年7月、ジャーナリストのシャミマ・スルタナさんは、反政府デモの最前線を取材した。 暫定政府が発足した今、かつて隠されていた真実を伝えようとしている。
前ハシナ政権下では反政府的な発言や活動をしていると見なされた人が、数多く強制失踪に遭っていた。家族たちは今も行方不明者の帰りを待つ。暫定政権の調査によると、強制失踪の数は3500件を超える可能性があるという。
ジャーナリストのシャミマさんは、前政権下の秘密刑務所“アイナゴール”(Aynaghar)に収容されていた人物をインタビュー。過酷な体験の証言と独房の絵が、知られざる実態を明らかにした。
15年に及んだハシナ政権の下で政治活動を大きく制限されてきた政党が、来たる総選挙に向けて活動の勢いを増している。ジャーナリストや研究者は、新たな政権が再び権力を乱用しないか懸念している。