井原慶子（３８）は、世界で数名しかいない女性トップレーサーの一人で、今年、伝統のあるチームガルフからの出場オファーを受けた。番組は、年齢的にもこれが最後のチャンスと崖っぷちの覚悟で耐久レースに挑む、井原慶子に密着する。

耐久レースは、３月から１０月までの間に世界８カ国で行われ、規定時間内にどれだけ長い距離を走る事が出来るかを競う。その中でも最も過酷な真夜中を走る２４時間レースのル・マン、井原がレース経験を積んだ得意なシルバーストーンサーキット、そして２４年ぶりに耐久レースが復活する富士スピードウェイのレースを追う。女性の井原に、チームは何を期待しているのか。それは、男性ドライバーに欠けている、速くて安全なドライビングテクニックだ。井原は２０代の時、レースクイーンからレーサーを目指し、宅配の仕事で経験を積み、２５歳でレーサーデビュー。だが、井原を待ち受けていたのは日本でも海外でも“完全に色もの”扱いされ続けることだった。

そんな波乱な彼女がどのようにして最高峰の世界選手権のレーサーに選ばれたのか、そして男性ドライバーに交じり、どのようにして挑むのか。番組では、世界選手権に挑む井原の７か月に密着し、前編はル・マンで大敗した挫折編と、後編はどのようにして壁を乗り越えていくのか。彼女の人生ストーリーを織り交ぜた感動のドキュメンタリー。