中国で深刻化する大気汚染。体に悪影響を及ぼす超微粒子、PM2.5の濃度がこの冬、中国各地で計測不可能となるほど高くなっている。各省政府では「清潔空気行動計画」などを発表、2017年にPM2.5の濃度を20%下げる目標を掲げた。
最大の原因は石炭ボイラー。ある自治体は、市内のあらゆる中小の石炭ボイラーを検査し、排出基準をクリアできないものは来年までに廃止させると発表、電気ボイラーへの転換を図りはじめた。
しかし、高価な設備投資と維持費が必要な「エネルギー転換」は、安価な石炭に依存してきた飲食店や工場の経営を揺さぶる。雇用問題や製品の価格優位性の喪など、深刻な影響が出るのだ。
公害への対処とエネルギーの転換に苦しむ中国の姿を浮き彫りにする。