日本のどこか遠くの町。そこに美しいモノを創り出す職人がいる。
その緻密で思慮に富んだ手仕事は、世界を魅了する。
「A Treasured Creation」は、日本のものづくりのプロセスをノーナレーションで楽しむ番組です。
今回の「トレジャー」は、「手打ち鍋」。
食い倒れの街・大阪で人々の胃袋を満たしてきた 暮らしの道具です。
作るのは、鍋職人の姫野寿一さん。
“一枚の金属板”を叩いて成型することで鍋に丈夫さが生まれ、
さらに、金槌の“槌目”が その表面を美しく輝かせます。
しかし、時代の流れの中、鍋は機械による量産が可能に。
全国の手打ち鍋職人は激減。
多くの職人で賑わっていた姫野さんの工場も、たった一人になりました。
それでも、鍋を叩き続ける理由を、姫野さんはこう語ります。
「これは僕の意地かもしれへん」
受け継いだ技術を守り続ける、職人の心意気に迫ります。